製作の流れ

2024年現在、歯科医院から技工所への発注方法には、いくつかの革新的な手法が導入されています。

デジタル技術の活用

デジタル技工指示システム

• 歯科技工指示書や口腔内スキャナー（IOS）データ、顔貌写真、CTデータをクラウド上で一元管理するシステムです。これにより、紙による管理が不要になり、受注漏れを防ぎます。

CAD/CAMシステム

• CAD/CAM技術は、歯科補綴物の設計と製造をデジタル化する技術で、患者の口腔内スキャンデータを直接技工所に送信し、精密な補綴物を迅速に製作することが可能です。

口腔内スキャナー

• 口腔内スキャナーは、患者の歯型をデジタルデータとして取得し、即座に技工所に送信することで、物理的な印象材を使用する必要がなくなり、患者の負担が軽減されます。

クラウドベースのプラットフォーム

• クラウドサービス『Emium』を利用することで、歯科医院と技工所間でのデータ共有が容易になり、発注から納品までのプロセスを一元管理できます。

自動化とAI技術

• AI技術を活用した自動化システムは、補綴物の設計や製作プロセスを効率化し、人件費削減や生産性向上が期待されています

3Dプリンティング

• 3Dプリンティング技術は、矯正用アライナーや補綴物の製作において、所要時間とコストを大幅に削減し、精度を向上させるだけでなく、形状記憶素材の利用によりさらに革新をもたらしています。形状記憶素材を使うことで、製作したアライナーや補綴物は特定の温度や環境条件に応じて変形・回復する特性を持ち、患者の快適性や治療効果を向上させることができます。この技術の組み合わせにより、より個別化され、効果的で使いやすい矯正治療や補綴物の提供が可能になります。

これらの革新的な手法は、歯科技工士不足という業界全体の課題にも対応しており、効率的かつ高品質な歯科補綴物の提供を可能にしています。